信頼性向上への取組み

第7回原子力安全信頼会議


 平成26年11月28日、当社は第7回原子力安全信頼会議を開催しました。
 今回は、特に従業員の教育・訓練を主たる議題として、実際の訓練も視察頂いたうえで、ご意見を
伺いました。

<議事概要>
1.日 時:平成26年11月28日(金)12:40~15:40

2.場 所:志賀原子力発電所

3.出席者:【委員】石田委員長、大橋委員、大場委員、庄田委員、中村委員、
            藤多委員(計6名)
        【当社】久和社長、堀副社長、金井副社長、赤丸常務、西野常務、
            新村志賀原子力発電所長、高橋原子力部長、前川土木部長、
            宮崎地域広報部長、園品質管理部長 (計10名)

4.議事要旨
 (1)北陸電力からの説明
   ・久和社長の開会あいさつ後、「志賀原子力発電所2号機における新規制基準への適合性確認
    に係る申請」、「原子力部門の教育・訓練」、「志賀原子力発電所の状況」および「志賀原子力発
    電所敷地内シームの調査状況」について説明し、発電所内の工事現場および原子力技術研修
    センターの訓練を視察の後、ご意見を伺いました。

 (2)委員からの主な意見 
  <訓練手法の評価・改善>
   ・緊急時の対応は、個々の能力だけでなくチームワークが重要で、本日視察したシミュレータ訓練
    は、チームワークを養うのに有益である。
   ・ブラインド訓練は、訓練を受ける側の意識が高まるので続けて頂きたい。また、訓練の経験を
     マニュアルの改定等に反映頂きたい。
   ・緊急時には、メンタル面が非常に重要になってくる。スポーツ界ではメンタルトレーニングが重要
    視されており、発電所員の訓練にも考えていく必要がある。
   ・設備面は深層防護で対応できているが、人の面は、交替の発電所員が初期対応の発電所員と
    同じレベルなのか気になる。他の電力会社との間で、情報共有や訓練のやり方で知恵を出し合
    う機会を増やしたら良い。

     ※ブラインド訓練 訓練参加者へ事前にシナリオを知らせずに、訓練の進行管理者が適時に発電所の事故の状況などの情報を付与し行う
       訓練

  <組織・システム等の改善>
   ・福島第一事故における「吉田調書」を詳細に読むと、関係者間の情報共有に問題があったようだ。
    北陸電力では、関係箇所間で意思疎通が十分図れるよう改善を続けて頂きたい。
   ・緊急時に、人をどう配分するのかは難しい問題だが、余っている現場があれば、足りない現場に
    回せるし、交替制にすれば、組織として持久力をつけることにつながる。そうした目で訓練を評価
    することも必要だと思う。
   ・福島第一事故の経験やあらゆる想定に対応した訓練は重要だが、一方で、人間に過度の対応を
    求めるのではなく、施設とシステムで対応できるようにしておくのが基本的な考え方である。
   ・緊急時に、発電所員が現場で頑張り続けられるよう、福島第一事故で培われた知見から、例えば
    非常食の良し悪し等、国の報告書等に記載されていないことも是非貪欲に学んで欲しい。

  <所員の意識向上>
   ・訓練は非常によくやっている。ただし、今はブラインド訓練を始めたばかりで重要性を認識している
     が、訓練を繰り返していくとどんなトラブルにも対応できるといった安心感が生じてしまう。しかし、
    自分達が想定していないことが起こりうるということ、その際は自分達で頑張らなければいけない
    んだという気持ちが大事。
   ・訓練を超える状況で、発電所員が現場に留まって、どうにかして原子炉を安全にもっていくという使
    命感は、愛社精神などによって培われることを普段から意識してその醸成に努めることが必要。
   ・原子力が社会から厳しく見られているが、エネルギーセキュリティの観点からきわめて重要な仕事
    に携わっていることを発電所員が認識され士気を高く維持されたい。
   ・原子力関係者は、自らの問題点を見つけて学ぶところが苦手なのではないか。他所(他者や他社)
    のことを自分のこととして受け止めて、謙虚にやっていく必要がある。

  <地域からの信頼を得るために>
   ・発電所員は、先が見えにくくて辛い状況にあると思うが、士気を高く持ち続け、作業を安全に進めて
    頂きたい。それぞれの仕事を一つ一つ積み上げていくことによって、その意義が社会的に理解され、
    行政上の手続きが一歩一歩前に進むように、関係者の信頼を深めていって頂きたい。
   ・現場を見て、原子力発電は、みんなの力でつくりあげるエネルギーであるとの感を深くしたが、発電
    所員の方々もその意識を強めて頂けれればありがたい。今後とも志賀町をはじめ、石川県、富山県
    全体の方々のご協力は極めて大切である。高いフェンスなどでセキュリティ上の要請を十分に満た
    しながらも、多くの人々にとって身近な発電所となるよう一段と努力して頂きたい。
   ・格納容器フィルタ付ベント装置を新規制基準への適合性確認に係る申請に含めなかった件は、基準
    を満たす選択肢は幾つかあるなかで、北陸電力の選択も技術面からみると基準を満たすと思うので、
    安全を軽視していると報道されていることに対して、丁寧な説明をお願いしたい。
    また、規制当局との間で適切に情報交換して、住民の不安を煽るような報道にならないようにして頂
    きたい。
   ・女性を含む多くの関係者が発電所の再稼働に大変な努力をしていることを、一人でも多くの方々に
    見てもらうと良い。
                                             以 上

会議の様子1

会議の様子2

会議の様子3

視察の様子