信頼性向上への取組

第22回原子力安全信頼会議

 2022年11月7日,当社は原子力安全信頼会議を開催しました。

議事概要

1.日 時 2022年11月7日(月) 13:20~15:45

2.場 所 金沢電気ビル

3.出席者 【委員】石田委員長,大場委員,庄田委員,髙松委員,中村委員,
          能木場委員,山口委員          (計7名)
      【当社】松田社長,塩谷副社長,小田常務,福村常務,
          藤田土木建築部長,放生志賀原子力発電所長,
          布谷原子力部長,新山地域共生本部部長,
          谷内地域共創部長,中村地域社会部長,
          村杉品質管理・原子力安全推進部長    (計11名)

4.議事要旨

(1)議事概要

   今回は,「志賀原子力発電所 新規制基準適合性確認審査(地震津波関係)の状況」,「再稼働に向けた審査効
  率化の動き」および「臨界事故隠しに係る再発防止対策の定着状況」を説明し,質疑応答を交えてご意見を伺いま
  した。

(2)委員からの主な意見

 <志賀原子力発電所 新規制基準適合性確認審査(地震津波関係)の状況>

  ・敷地内断層の調査に大変長い時間がかかったが,この調査で得られた膨大なデータや調査方法・結果の知見は貴
   重な財産であり,原子力分野以外の研究者や一般の方々にも積極的に紹介していただきたい。とても有益なもの
   だと思う。

 <再稼働に向けた審査効率化の動き>

  ・北陸電力は原子力規制委員会に審査の効率化・迅速化を要望しているが,個別の会社からでなく電力全体でも要
   望した方がよい。その際,審査に必要な説明性のあるロジック構成やエビデンスについて,各社の審査経験を踏
   まえたガイダンスとしてまとめ,規制側と事業者で共有するなど,十分にコミュニケーションを図ってほしい。
   加えて,現在,原子力発電に関して,運転期間,高経年化,テロ等のいろいろな問題が議論されているところで
   あることから,今から規制側と幅広い領域の議論をし,多様な問題について将来率直に意見交換できる土壌を作
   っておくのがよい。

  ・断層の活動性に係る審査は過去に起こったものをどう評価するかということであったが,今後は地震・津波等の
   自然災害や設備故障に起因する事象等の未来に起こるかもしれない事象に対する審査となる。未来の起きるかど
   うかも議論されるような事象に対する審査に当たっては,規制側の要求事項を踏まえて事業者としてどこまで対
   策を実施するのかのスタンスを明確にしておく必要がある。

  ・審査の進め方の改善として,今後,審査会合前に原子力規制庁の職員が現地確認を実施することがあるとのこと
   だが,その動向を注視し,志賀原子力発電所の審査対応に役立てていただきたい。

  ・新しい規制の在り方としては,規制側と事業者のそれぞれの立場に立って対等に議論した上で,高度な安全を目
   指すことが大切である。今後はこのような状況を作り上げていっていただきたい。

  ・最近,石川県内で竜巻や地震が発生しており,自然災害に対する関心が県民の間で高まっている。志賀原子力発
   電所では,現在,断層の審査が続いているところであるが,断層関係以外の自然事象についてもいろいろと調査
   し,審査が進めば地域の安全・安心につながると思う。

 <臨界事故隠しに係る再発防止対策の定着状況>

  ・志賀1号機の臨界事故隠しのような重大な事案でも時が経つと風化するおそれがあり,今後も社会から信頼され
   続けていくため,再発防止対策の状況をこの会議の議題に取り上げることは大変有意義である。

  ・臨界事故隠し発覚以降,様々な再発防止対策を実施しているが,大切なのは,対策の本来の目的を常に意識しな
   がら今後どうすればより良くなるかを考え,失敗を恐れずにチャレンジしていくことである。
   また,北陸電力の未来に向けて,臨界事故を隠した日やそれを公表した日をどのような位置付けにするのかとい
   うことを改めて考えてほしい。

  ・臨界事故の当事者は,安全確保ができているという前提の中で,報告せず隠蔽することが電力の安定供給を実現
   できる最良の解と考えていたかもしれない。しかし,その後の発覚によって信頼を失い会社に多大な損失を与え
   る結果になってしまっており,当時の社員が考えたことが現代の価値観に照らすとどうであるのかも考えながら,
   適切に伝え続けていただきたい。

  ・臨界事故隠し発覚後,北陸電力は一つひとつ再発防止対策を実施してきたが,事故隠し発覚後に入社した社員は
   事故隠し自体を知らないかもしれないので,そのような社員に対しては,この事案が起きたということだけでな
   く,どのような背景・過程で起こったのかを具体的に説明することが大事である。

  ・コンプライアンス向上に係る活動はどの組織であっても大切であることから,北陸電力が再発防止対策として行
   ってきた様々な活動は他社にも参考になる。

  ・再発防止対策の一つとして,コンプライアンスに関するアンケートを実施しているとの説明があったが,その結
   果は全体的な傾向をつかむためには有効であるものの,一人ひとりの思いをくみ取ることはできないため,直接
   社員の声を聞いて実態を把握し,アンケート結果の信頼性を検証することが大切である。

  ・臨界事故隠しの再発防止対策が策定されて以降の15年間には,国際原子力機関(IAEA)や世界原子力発電事業者
   協会(WANO)が安全文化に係るレポートを発行しており,日本政府が福島第一原子力発電所事故の28項目の教
   訓を挙げており,経済産業省の自主的安全性向上WGがこれから事業者・産業界が持つべきマインドとして「リ
   スクガバナンスの構築」を提言している。
   北陸電力においては,個々の再発防止対策の定着がなされた段階に来ていると考えることから,安全向上,安全
   文化,組織風土等に関するこれまでの国内外の取組やレポート等を踏まえ,対策の項目を再整理した上で組織風
   土や安全文化を高め追求していくような高いレベルの取組に発展させてはどうか。

  ・今後も再発防止に係る活動を継続して実施することにより,風通しの良い組織作りや一般の方々の目線で考え行
   動できる社員の育成を行い,社会からより信頼される企業になるよう努めていただきたい。

(3)当社の受け止め

   今般の世界情勢により化石燃料価格が高騰している中,エネルギー安全保障の問題,二酸化炭素の問題,電力安
  定供給の問題に対して一定程度の原子力発電所が必要であることから,規制側とのコミュニケーションを取りなが
  ら審査の効率化に努めるなど志賀原子力発電所の早期再稼働に取り組んでいく。
   その際に忘れてはならないのが23年前の「臨界事故隠し」であり,現在に至るまでいろいろな再発防止対策を実
  施してきているが,今回の会議における委員からのご意見を真摯に受け止め,臨界事故隠しから学んだ教訓を活か
  すことができるように,安全文化等に係る新たな知見も取り入れ,対策に改善を加えながら継続していく。



会議の様子1

会議の様子2

会議の様子3